お札の刷新や500円の新硬貨発行が発表された9日、東京株式市場では紙幣や硬貨を扱う機器メーカーの株価が急騰した。お札の識別機や券売機などの特需が生まれるとの期待から、投資家の買いが集中したようだ。
午前の終値は、券売機大手の高見沢サイバネティックスが前日終値より、300円(27・85%)高い1377円、紙幣識別機大手の日本金銭機械が143円(12・63%)高い1275円、金融システムのムサシが227円(10・04%)高い2487円と、関連銘柄が軒並み急上昇した。日経平均株価の午前の終値は対照的に、39円46銭(0・18%)安い2万1722円19銭となった。
新1万円札のデザインは「近代日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一。東京証券取引所の前身「東京株式取引所」の創設に貢献し、東証内の証券史料ホールには渋沢の写真パネルが飾られている。(高橋克典、大和田武士)