英国の欧州連合(EU)からの離脱日が12日に迫るなか、メイ首相は9日、ドイツの首都ベルリンでメルケル首相と会談した。同日中にフランスを訪れ、マクロン大統領とも会談する。離脱日の6月30日への延期に理解を求める考えだ。独仏首脳を説得できるかが、10日のEU首脳会議で延期が認められるかの試金石になる。
メルケル氏との会談は1時間半で終了した。英首相官邸によると、両氏は「合意なき離脱」を避ける重要性で一致した。
メイ氏は3月29日だった離脱日の4月12日への延期をEUに認めてもらったばかり。EU側が求める離脱協定案の英議会での可決の見通しが立たず、EU首脳会議で厳しい議論が予想されるなか、メイ氏はメルケル氏を「応援団」と期待する。
メルケル氏は4日にダブリンであったアイルランドのバラッカー首相との記者会見でも「私は長年、壁で分断されていた国からきた。多くの犠牲者の上に成立した平和的な共存を守るため、全力を尽くさなければならない」と旧東独に育った自身の体験を語り、合意なき離脱の混乱を避ける必要性を訴えた。
貿易立国のドイツにとって英国は自動車、化学、機械などの主要な輸出国で、関税が復活することの影響は大きいとされる。
対照的にマクロン氏は離脱延期…