日本武道館は都内の大学の入学式の会場となることが多く、今年は9大学が使った。だが、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた改修工事が今秋から始まるため、来春は使用できない。
日本武道館は最大で1万4千人を収容できることや都心のアクセスの良さに加え、入学式の時期には近くの千鳥ケ淵の桜が見頃になることも魅力だ。法政大は1966年から、入学式に用いてきた。例年、午前と午後で保護者を含め計約1万5千人が出席する。代替の施設を探した結果、来年は約1万1千人を収容できる両国国技館(東京都墨田区)にした。東京電機大や東京理科大も両国国技館で行う。
日本武道館を使ってきた東京大、日本大、明治大は来年の入学式会場をまだ検討中という。ある大学の担当者は「都内で同じ規模で収容できる施設は限られている。桜もきれいな日本武道館がベストなのですが」と話す。
64年の東京五輪の柔道会場として建設された日本武道館は地下2階、地上3階建て。タマネギのような擬宝珠(ぎぼし)の屋根が特徴で、競技大会や書道大会、コンサート会場として親しまれている。改修は今年9月から始まり、バリアフリー化や耐震化を予定。五輪は柔道と空手、パラリンピックは柔道の会場として使われる。(貞国聖子、山下知子)