核兵器禁止に賛成ですか、反対ですか――。国会議員ごとに見解を確認できるスマートフォン向けサイトを、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の国際運営委員、川崎哲(あきら)さん(50)ら有志が立ち上げた。「国会の議論は低調なのが現状。国民の関心を高めるきっかけになれば」としている。
被爆者は今、核兵器と人類の関係は…核といのちを考える
サイトは「核兵器Yes or No!? 議員ウォッチ2019」(
https://giinwatch.jp/
)。日本原水爆被害者団体協議会などが、核兵器禁止条約への参加をすべての国に求めるため国内外で集めている「ヒバクシャ国際署名」への賛否を全国会議員にアンケートし、その理由も表示する。政党別や都道府県別、50音順で議員を検索できるほか、サイトからSNSにメッセージを送ったり、議員の事務所に電話したりできる機能も。都道府県知事についても同様だ。また日本政府に対し、核禁条約に加わるよう意見書などで求めている市区町村も確認できる。
サイトを作った中心メンバーの一人が、神戸大学院生の安藤真子(まこ)さん(24)。広島市出身で、高校時代から核兵器廃絶を訴える署名活動や被爆証言の聞き取りに取り組んできた。昨年は被爆者が船で世界を巡りながら証言をする航海に同乗したが、寄港地で「日本が核禁条約に反対の立場なのは驚いた」と言われることが多かった。「政治が動かないと核兵器廃絶は達成できない」と感じ、川崎さんらとこのサイトの設立に取り組んだという。
今年1月からメールや手紙で全国会議員にアンケートを送付。現時点で回答があったのはまだ全体の1割程度だが、与党でも「賛同」との立場の議員もいた。安藤さんは「有権者の判断材料にしたり、議論を生んだりすることが目的。たとえ反対でもかまわないので、立場を表明していただきたい」。今夏の参院選に向け、候補者からアクセスしてアンケートに回答してもらう仕組みも設けている。(大隈崇)