イタリアの検察当局は16日、同国のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行(モンテパスキ銀行)の損失隠し事件に関係する裁判で、事件に関与したとして野村ホールディングス(HD)とドイツ銀行の資産各4億4千万ユーロ(約540億円)を差し押さえることを求めた。また、野村HDの英法人の元幹部らに実刑を求刑した。米ブルームバーグ通信などが報じた。
同通信によると、野村HDはモンテパスキ銀などと共謀し、複雑なデリバティブ取引を利用して同行の損失隠しに加担。検察は、野村HDのデリバティブ取引は同行の2009年12月期の決算で3億ユーロ以上の損失を粉飾したと指摘しているという。
さらに、野村の英法人「ノムラ・インターナショナル」の元最高経営責任者(CEO)だったサデック・サイード氏が6年の実刑を求刑された。(ロンドン=和気真也)