英国のメイ首相が24日、辞意を表明する見通しとなった。英BBCなど複数のメディアが伝えた。後任首相を選ぶための与党・保守党の党首選を6月10日にも開始し、次の党首が7月中にも選ばれた時点で、後任に道を譲る見通しという。
与党の党首選は、事実上、次の首相の選任手続きとなる。メイ氏が首相に就任したのは、3年前に英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた国民投票の直後。離脱の道筋をつけられないまま、メイ氏は混乱の責任を取って職を去ることになりそうだ。
メイ氏は英国時間24日朝(日本時間同日午後)に、保守党の党首選を管轄する党幹部と面会する。この幹部はメイ氏に、退任の日程を明確に示すよう求める見通しだ。メイ氏が拒否した場合、党側は、党首としてのメイ氏に不信任をつきつける党議員による投票を実施するため、党ルールの改正に踏み切るという。
BBCなどは、複数の閣僚の話として、メイ氏は抵抗せずに退任時期を示す考えだと伝えている。
英国は当初3月末にEUを離脱する予定だったが、英議会の混乱で10月末まで延期された。行きづまりの打開のため、メイ氏は野党が求める2回目の国民投票を条件つきで容認する方針を今月21日に発表。これが与党や閣内からの猛反発を招き、6月初めに採決を予定していた離脱関連法案は、提出もできない状態になっていた。(ロンドン=下司佳代子)