ギリシャ政府の報道官は28日、総選挙を7月7日に行うことを、地元テレビのインタビューで明らかにした。26日に行われた欧州議会選で、与党「急進左翼進歩連合(シリザ)」は最大野党「新民主主義党」に敗退。シリザを率いるチプラス首相は近く解散総選挙を行う意向を表明していた。
ギリシャの経済危機をめぐっては、「反緊縮」を主張していたチプラス氏が一転、欧州連合(EU)の求める緊縮財政策を受け入れた。シリザの支持率は低下したが、昨年夏にはEUの金融支援が終了し、経済成長率もプラスに転じていた。
だが、与党内で緊縮財政に反対する勢力との分断が進んだほか、チプラス氏が合意した隣国の北マケドニア(旧マケドニア)の国名問題でも、「マケドニア」の名前が残ったことへの反発が強まった。
チプラス氏は欧州議会選直前に、年金削減の見直しや付加価値税の引き下げなどのばらまき政策を打ち出したが、支持率アップにはつながらなかった。報道官は「金融支援の終了後に進めてきた経済政策のプラスの効果が、この短期間では見えなかった」と言及。9月で任期満了となる議会選挙を前倒しすることで、経済政策への民意を改めて問う意向を示した。(ローマ=河原田慎一)