かんぽ生命と同社の保険を売る日本郵便は、保険商品の営業を8月末まで自粛する方針を決めた。不適切な疑いのある保険販売は、これまでわかった分だけで約9万3千件にのぼり、契約者などから相談や苦情が相次ぐ。不利益を被った契約者の訪問など、顧客対応を最優先すべきだと判断した。
保険会社の営業自粛は異例の対応。自粛中は新たな保険契約を見込めず、親会社の日本郵政の収益減少にもつながる。かんぽの不適切な保険販売は、民営化を進める郵政グループ全体の経営問題に発展する。
親会社の日本郵政の関係者によると、保険販売を委託されている郵便局の担当者は12日から、訪問や電話などでの保険勧誘を控え始めた。対象は、終身・学資・養老の各保険など、かんぽの商品全般に及ぶ。郵便局を運営する日本郵便の役員が11日、全国各地の代表者によるテレビ会議で、営業自粛を指示したという。
自粛は8月末までを想定するが、顧客対応次第で長引く恐れもある。日本郵便は郵便・貯金・保険を一体にして全国の郵便局で提供する「ユニバーサルサービス」の責務を負っている。このため、保険加入を望む人がいれば契約はできる。郵便局で扱うアフラック生命保険や住友生命保険など他社商品の扱いは未定だ。
かんぽの保険をめぐっては、乗…