中国からの医療物資に「品質上の欠陥があった」出来事が最近数件大きく報じられたが、すでに一部は全くの誤解だったことが証明された。他の出来事は、すでに原因が明らかになったか、なお調査中かのどちらかだ。最近外国メディアが比較的騒いでいるのがスペインのケースだ。最初の報道の代表的な例は「スペイン政府は4億3200万ユーロで中国から医療物資を購入したが、最初に到着した検査キット5万5000個のうち、一部は精度が30%しかなかった。スペイン政府はすでに返品した」というものだ。
だが各者の反応から、事実の混同があったことがすぐ明らかになった。そのうち最も重要な点は、これらの検査キットはスペイン国内の供給業者が中国のメーカーから購入したものであり、政府対政府の行為ではなく、スペイン政府が最近発表した中国から購入する4億3200万ユーロの物資とは無関係であり、これらの物資はまだ中国から出荷されていないということだ。言い換えるなら、こうした外国メディアは「スペイン政府が中国に騙された」ことを示唆したが、そうした事実は存在しないということだ。
米東部時間3月29日に、上海発の飛行機がニューヨークのケネディ国際空港に到着した。これは米国に急いで必要な医療物資を輸送する飛行機22便のうちの最初の便だった。この便は手袋1200万セット、N95マスク13万枚、外科手術用マスク170万枚、防護服5万着、ハンドソープ13万本、体温計3万6000本などを運んできた。
ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策担当者によると、米政府はこのうち60%の物資と全てのN95マスクを購入し、大半をニューヨークに供給し、残りをニュージャージーとコネチカットに供給する。感染状況がこれほど深刻な中、大量の医療物資の到着は本来良い事のはずだ。だがツイッターでは、米国民の一部から異なる声が上がっている。ある人は「中国は最初にウイルスを広めておいて、後になって救いの神になろうとしている」とコメントした。「中国はこれでどれくらい儲けられるんだ?」と問う声も多い。
欧州でも中国からの支援を前にして、余り友好的でない声が聞かれる。「中国は世界を救い」、支援を通じて「宣伝」をしているといった主張だ。EUのボレル外務・安全保障政策上級代表は中国からの支援に「大盤振る舞い政治」とのレッテルを貼っている。中国からの支援には地政学的成分が絶対に含まれており、「欺瞞と大盤振る舞いの政治によって影響力を奪取しようとしており」、EUはこれに警戒しなければならないのだと言う。
欧米世論はなぜいつも中国を非難するのか。その原因の第1は、反中・嫌中勢力に元からある偏狭な立場によるものだ。第2は、中国が感染拡大を抑制する一方で、米欧諸国が深刻に陥落していることに、一部の人が怒りを覚えているためだ。第3に、一部の人は中国に責任を押し付けようとし、感染症との戦いにおける力不足の責任を負おうとしないからだ。
中国は2か月間の努力を経て、状況を転換させた。今や我々は困難を抱えている国々にできる限りの、真摯な支援を行っている。これは大国としての基本的責任であり、人道主義の自然な反応でもある。中国の輸出する物資や支援に対して、政治色を帯びさせた解釈をすることは、現在世界が一致団結して行う必要のある感染症との戦いの助けにならない。中国のイメージを悪くするのは、感染症との戦いの大局を損なうだけだ。中国の対外物資支援は善意によるものであり、何か具体的問題が本当にあったのなら、一緒になって解決することこそ正しい選択だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年4月1日