米国のアプリ市場調査会社のアップアニーがこのほど発表した「2020年モバイル市場報告」によると、2019年には世界のアプリケーションダウンロード件数が前年比6%増加して、延べ2040億件に達した。このうちインドは2.9倍増加、中国は80%増加、インドネシアは70%増加で、基本的に前年の水準を保った。
アプリ収益のトップ52社のうち、中国企業は11社、日本企業は10社となり、比較可能なデータがある11年以降で初めて中国企業の数が日本を抜いた。
消費支出トップ3アプリには、米マッチグループのマッチングアプリ「ティンダー」、米動画配信サービスの「ネットフリックス」、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)の動画サイト「騰訊視頻(テンセント動画)」が並んだ。ダウンロード件数トップ3アプリには、チャットアプリ「フェイスブック・メッセンジャー」、SNSアプリ「フェイスブック」、チャットアプリ「ワッツアップメッセンジャー」が並び、いずれも米フェイスブックのアプリだ。
アプリショップの消費支出額は18年より18%増の1200億ドル(1ドルは約107.8円)になり、16年の2倍以上になった。具体的には、ゲームとオンライン動画が勢いよく伸びた。ゲームアプリの消費支出は全体の72%を占めた。年間消費支出が1億ドルを超えたゲームアプリは17年比59%増加して、140本に上った。
娯楽アプリの利用時間は17年比50%以上増加した。動画ストリーミング再生のアプリで映画、テレビ、ライブ配信を見る人が増加した。
動画配信サービスのアプリでは、「ネットフリックス」と米「Amazonプライム・ビデオ」が勢いよく発展している。この分野の競争は日に日に激しくなっており、19年11月に米アップルの「アップルTVプラス」が参入したほか、20年5月には米AT&T傘下のワーナーメディアの「HBOマックス」も参入予定。アップアニーは、「提携や合併などを通じて消費者の支出を奪い合う動きがみられるだろう」と予想する。
「Amazon(アマゾン)」をはじめとするショッピングアプリの世界でのダウンロード件数は18年比60%増加して、54億件を超えた。ショッピングアプリは引き続き手堅い動きをみせた。
世界の一日あたりスマートフォン利用時間は3時間40分となり、18年より40分多かった。国別にみると、1位はインドネシア、2位は中国、3位はブラジルだった。
これから注目を集めるとみられるのはモノのインターネット(IoT)関連アプリだ。アマゾンの人工知能(AI)スピーカー「アレクサ」などのIoT関連アプリでは、米国でのトップ20アプリのダウンロード件数は1億6千万件を超えた。「こうしたトレンドは新興市場国にも向かうとみられる」とする分析がある。アップアニーは、「世界規模でみると、スマホが全てのデバイスの頭脳になるだろう」と予想する。
同報告は世界22ヶ国を対象に実施した調査に基づいている。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年4月13日