理解し合える仲間を探す若者たち
「ユースサブカルチャー」という言葉でビリビリ文化を揶揄する声もある。ユースサブカルチャーというのは元々、大人の社会の秩序に反抗し、それを覆そうとする「異端」と見なされている若者のグループを指す。
しかし、中国の「ユースサブカルチャー」はそれとは大きく異なる。中国社会科学院・社会発展戦略研究院の研究員・田豊氏や復旦大学新聞伝播学院の潘霽教授は、「中国の若者は比較的内向的で、温和、中国伝統文化の影響も多少なりともあり、反抗的ではない。せいぜい、『自分の好きなことをするだけ。理解できない人とは、互いに干渉し合わない』という程度だ。もし主流となるグループやまたは上の世代の人々が進んで耳を傾け、理解を示した場合、彼らは非常に喜び、進んでシェアする。そしてサークル内外で認められることで、その喜びも倍増する」と分析している。
インターネット時代の現在、若者のグループ・アイデンティティは、それぞれが自分の好みや趣味に基づいて、遊び方や仲間を自由に選び、その仲間と「アイデンティティ」を共有するというスタイルになっている。1994年生まれの小非さん(ハンドルネーム)は、ビリビリにおける若者間特有の息の合った交流や自分の笑いのツボを他の人も理解して一緒に笑ってくれる状況を楽しんでいる。弾幕やコメントの内容、さらに、動画そのものまで、ユニークな内容で仲間を探すそれら若者の姿には心温まるものがある。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年4月26日