現在、新型コロナウイルス肺炎の感染が世界中に拡大している。新型コロナウイルスの発生源や伝播などに関する報道と議論には、事実に合致しないものが数多く混ざっている。こうしたことを広めようとする者にはそれぞれ動機があり、政治的・体制的なライバルを誹謗中傷する意図を持つ者もいれば、なかには特定の国や民族、宗教に打撃を与え、罪をなすりつけようとする者までいる。中国はとりわけこうした「情報流行病」の打撃を受けている。本記事では、新型コロナウイルス肺炎についてよく見られる中国に関するデマを整理し、科学的知識と事実に基づいて論証し、一つずつ批判と反論を行っていく。そうすることで、事実に基づき真実を求める態度や私心をはさまず誠意を尽くす精神で関連する議論が行われるようになってほしいものだ。
【デマ5】中国は新型コロナウイルスの感染者数と死者数を隠蔽し、データ操作を行った。
【真相】中国は新型コロナウイルスの感染者数と死者数の統計上、終始透明性を保ち、報告義務を100%履行した。
△2020年4月20日の時点で、湖北省武漢市がまとめた新型コロナウイルス感染者数は累計で5万333人、死者数は3869人、死亡率は7.69%で、世界の平均水準を上回っている。
△中国全土の感染者数と死者数が比較的少ないのは、中国政府が武漢から外部へ移動する交通ルート封鎖など最も全面的で、最も厳格で、最も徹底した予防・抑制措置を迅速に講じたことによる。「サイエンス」誌の研究報告は、上記の措置は中国の感染者を70万人以上減らしたと見積もっている。
△新型コロナウイルス感染が爆発的な拡大を見せてから、中国中央政府は湖北省に4万2千人以上の医療スタッフを相前後して派遣。さらにわずか2週間のうちに武漢に2500床の重症者用病床を収容できる専門病院2ヶ所と既存施設を改装した方艙医院(臨時医療施設)19ヶ所を建設し、軽症者用病床を約3万床用意した。感染が疑われる人と濃厚接触者に対しては全員集中隔離が行われた。これらの措置により伝染のチェーンが断ち切られ、感染のさらなる拡大が阻止され、感染データは全体的に見て比較的少ないものとなった。ドイツの経済紙「ハンデルスブラット」は社説でこの経験を肯定的に評価している。
△ 4月17日、武漢市政府は新型コロナウイルス肺炎の死者数を訂正し、2579人から3869人に上方修正した。この方法は中国「伝染病防治法」の要求に合致している。感染状況が全体的に抑制された後、武漢市関連当局がワーキンググループを立ち上げ、感染者数と死者数を遡って事実調査したことは、国際的に通常行われる方法と完全に合致している。中国側は関連データを訂正した後、直ちに世界にその情報を報告して公開したことは、世界保健機関(WHO)から、中国は「死者1人も漏らさず」報告するよう努めていると称賛された。