米ジョンズホプキンス大学の発表した新型コロナウイルスの感染状況の統計によると、米東部時間5日午後6時までに米国では新型コロナウイルスの感染者数が累計120万人以上、死者数が累計7万人以上と、いずれも世界最多となった。新華社が伝えた。
「米政府は自国の感染状況が依然厳しい中、感染症を政治利用する道を突き進んでいる。様々な無責任な行為の背景には、自らの責任を転嫁し、世論の圧力をそらし、選挙カードを不正に手に入れようとする入念な計算がある」とアナリストは指摘する。
■責任転嫁
このところ、トランプ米大統領は「ウイルス人為的製造説」に数回言及。ポンペオ国務長官など政府高官、一部の共和党の政治屋及び右翼メディアも力の限り陰謀説を作り、広め、世論環境を悪くしてきた。
この見解はすでに多くの専門家から批判されている。世界保健機関(WHO)の高官は4日「現在の約1万5000の整ったウイルスの遺伝子配列は、新型コロナウイルスが人為的に製造されたものではないことをはっきりと示している」と明言した。
米ジョージタウン大学のLawrence Gostin教授(世界保健法)はSNS上で「トランプ氏とポンペオ氏は新型コロナウイルスの出所は研究所だと言うが、ずっと証拠を出せずにいる。科学界の共通認識は、新型コロナウイルスは自然界由来で、動物から人間に伝わったというものだ」と指摘した。
米政府による感染症の政治利用が、感染防止・抑制における自らの深刻な過失を隠しごまかすためであることは明らかだ。米メリーランド大学の研究員は新華社の取材に「トランプ政権は責任転嫁を試みている。矛先は中国とWHOを含む複数のターゲットに向けられている」と指摘した。米シンクタンク・外交問題評議会(CFR)シニア・フェローのマックス・ブート氏は「ウイルスの発生源がどこであれ、米国の感染状況がこれほど深刻なことについて、トランプ政権は責任を逃れがたい」と指摘した。
「選挙戦の観点からすると、米国の現政権が感染症の政治利用に全力を尽くすのは、自らの政治的ニーズと合致する感染症との戦いのストーリーを再構築して、支持基盤を安定させることが目的だ」とアナリストは指摘する。
米国の感染状況がまだ深刻でなかった時、米国の指導者は相当長い間、中国とWHOの感染症対策を積極的に評価すると同時に、自国内の感染状況を軽く描写していた。だが自国の感染状況が悪化し続けると、米政権上層部の態度は急転し、中国とWHOを公然と非難すると同時に、自らの「功労」を吹聴し始めたのだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年5月8日