9月6日、サービス貿易交易会総合展示エリアを見学する来場者。(撮影・陳暁根/写真提供は人民図片)
3Dバーチャル展示ブースで手術ロボットを体験する。自動運転車でLIDAR(光による検出と測距)技術を利用して周辺環境のデータを集める。ギターを手に取りスクリーンの中のバンドと一緒に演奏する……9月4日から9日まで、2020年中国国際サービス貿易交易会が北京で開催され、たくさんの新製品、さまざまな新技術が、スマートライフの気楽さや便利さを私たちに伝え、未来の暮らしの素晴らしい青写真を描き出した。
多くの人にとって、サービス貿易はあまり耳慣れない言葉だと思われる。しかし交易会を見に来てわかるのは、サービス貿易は私たちの身の回りにあるということだ。旅行、教育、金融、文化・娯楽、交通・輸送といったサービスの供給・消費の分野では、いずれもサービス貿易の取引が行われている。交易会を訪れた大勢の来場者の感想は、「来たかいがあった」、「大いに満足した」というものだった。総合展示エリアに行ってみると、遠くの方に調理する料理ロボットがたくさんの人に囲まれている様子が目に入った。炊く、煮る、蒸す、炒める、ゆでるなど何でもでき、8系統・3千種類以上のメニューを作ることができ、来場者から「科学技術が暮らしを変える」との歓声が上がった。それほど遠くないところには、ゴミ分別ロボットがいて、同じように驚きをもって迎えられていた。ゴミを素早く分別できる輸送ベルトにゴミを乗せると、ロボットが2本のアームを伸ばしてゴミを1つ1つ吸い寄せ、ゴミ箱に捨てる……こうしたことからわかるのは、サービス業がデジタル化、ネットワーク化、スマート化の発展トレンドに合わせて、私たちの暮らしの体験を絶えず更新していることだ。
SFのような新技術と同様、日常生活の変化も、私たちに新鮮さと驚きを与えてくれる。同じ総合展示エリアには可動式の小さなスケートリンクがあり、ぎっしりと集まった人たちがカーリングを体験しようと行列を作り、ウィンタースポーツならではの魅力を味わっていた。ある体験した人は、「体験してみないとわからない。ウィンタースポーツがこんなに楽しいなんて思わなかった」と興奮気味に話してくれた。屋外にある文化サービス専門展示エリアでは、よく知られた故宮博物院、首都博物館、恭王府博物館などの機関が打ち出したクリエイティブグッズも、大いに目を引いた。このほか、青銅器、書画、陶磁器などの文化財の修復技術を近い距離で見たり、無形文化遺産のペーパークイリング、竹細工、木版年画、香囊などの製作をその場で体験したりして、人々は楽しむと同時に、身の回りにある素晴らしいものを再発見し、文化のもつ魅力を実感した。この観点からみると、今回の交易会にあれほど多くの人が訪れた(初日の来場者はのべ約9万5千人)理由は、展示会が熱気にあふれていたからだけではなく、そこで紹介された暮らしが「素晴らしいもの」だったからでもある。
「どこで買えるの?」。スポーツサービス専門展示エリアでは、インターネットと連動した直立式トレーニングマシン、マルチスクワットマシンなどのトレーニング機器を体験した人が、強い興味を抱いた様子がみられた。携帯電話と機械を連携させると、運動のデータを表示したり保存したりするだけでなく、分析を経て自分に合ったトレーニングのアドバイスを受けることもできる。これまでのトレーニングマシンよりかなり「スマート」で、携帯電話のセンサーよりもデータの正確性が高い。「どこで買えるの?」は製品の魅力を物語ると同時に、大きな市場ニーズがあることも物語る。これは現在の中国消費市場の1つの縮図でもあり、素晴らしい生活に対する人々のニーズがますます多様化していることを示している。逆の立場で見ると、サービス消費がますます旺盛になって、企業にとっては、市場とチャンスの到来を意味する。サービス貿易の大きな発展を促進することは、人々の素晴らしい生活へのニーズを満たすとともに、企業が大きく発展するためのチャンスももたらすと言える。
交易会の会場側のオリンピック公園の景観大通りは、一時的に建設された環境保護展示会場とつながり、どこまでも続く虹の道のようになっていた。虹に対してよいイメージをもつ人が多い。この虹の道には、交易会をきっかけにして、サービス業の開放協力を通じて世界経済の復興を後押しし、グローバル経済が風雨をくぐり抜けた後で虹を見られるように、という願いが込められている。交易会のプラットフォームを利用して、より多くの質の高いサービスが「普通の人々の暮らしに届く」ようにし、日々の暮らしをより素晴らしいものにすることができる。(編集KS)