ワクチンはまだ最終的に研究開発されていないが、世界の株式市場は一足先に「強心剤」を打ち、相場が高騰した。
しかし世界の株式市場が高揚感に浸っていた時、欧州の多くの主要エコノミーと米国などでは深刻な感染症第2波に襲われていた。ファイザーのワクチンの情報が伝えられた翌日には、米国と欧州の株式市場の高騰はもう鳴りを潜めた。
中国現代国際関係研究院研究員の陳鳳英氏は取材に対し、「感染症が世界経済にもたらした衝撃は巨大だ。経済の回復はそう簡単なことではなく、一定のプロセスが必要だ」と述べ、経済回復は多方面にわたるため、回復には一定の「遅延性」があると指摘した。
ワクチンの大規模接種・普及には依然としてしばらく時間が必要
ワクチンが急速かつ大規模に普及するかどうかは、世界経済が「免疫」を得られるかどうかに関わってくる。
蘇氏は、「ワクチン研究開発の進展という情報が経済に与えた刺激は短期的なものにすぎず、経済がそれによって長期的に発展することを意味していない。最終的にワクチンの生産が開始され、世界の大規模な接種が行われて初めて、本当の意味で世界経済を回復させることができる」と指摘する。
また蘇氏は、「ワクチンの研究開発が成功したとしても、一部の発展途上国にワクチンを使えるだけの資金力がないという問題に関係してくる。豊かな国と比べ、経済が発達していない一部の発展途上国は、ワクチン普及の面で一定程度の遅れが出るかもしれない」とした。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年11月19日