政府は4日の閣議で、11月1日に期限切れとなるテロ対策特別措置法を1年間延長する同法改正案を決定した。今特別国会での成立を目指す。
同法は海上自衛隊の補給艦が、インド洋でテロリストの移動や武器輸送を阻止する活動にあたる米国やパキスタンの艦船に補給活動を行う根拠となる法律。
01年9月の米同時多発テロを受け、同年11月に2年間の時限立法として施行。03年に2年間延長されたが、今回の再延長では1年間の延長となった。
大野功統防衛庁長官は4日の記者会見で「国際的に評価されており、ニーズもある」と活動を継続する必要性を強調。そのうえで延長幅を1年間とした理由を「きちっと国会で議論していただこうと区切りをつけた」と説明した。
防衛庁によると3日現在、外国艦船に対する燃料補給は計550回で約41万キロリットル(約162億円)で、補給先は米、英、仏、パキスタンなど11カ国。昨年12月からは艦艇搭載ヘリコプターへの給油も実施しており、24回で370キロリットル(約1700万円)を給油した。
また、大野長官は、自衛隊が時限立法によらず国際平和協力活動を行うための恒久法の制定について、「(海自の補給活動も)本来ならばそういう形(恒久法)が望ましいが現行の体制でベストな選択は時限立法しかない。これから考えなくてはいけない重要なポイントだ」と述べ、今後の検討課題との認識も示した。【古本陽荘】