フジテレビグループがプロ野球の横浜ベイスターズとヤクルトスワローズの株を保有している問題で、グループが持つ横浜株を、プロ野球参入に意欲的な大手有線通信会社の「USEN」(東京都)に売却する案がグループ内で検討されていることが9日、関係者の話で分かった。フジテレビによる複数球団の株式保有については、4日に開かれたプロ野球オーナー会議で、一部オーナーから「野球協約に違反するのでは」と指摘されていた。
横浜球団株はTBSグループが約70%を保有しているが、残る約30%は、フジテレビが100%子会社のニッポン放送を通じて所有している。また、フジテレビはヤクルト球団株の約20%も所有。複数球団の支配を禁止する野球協約に抵触する可能性が指摘されていた。ただ、フジテレビは「実質支配していないので問題ない」と主張。4日のオーナー会議では、根来泰周コミッショナーが後日、「現状変更」を文書で求めることで決着していた。
一方、USENは以前から球団所有に意欲を示している。楽天がTBSに経営統合を提案している問題でも、仮に統合が成立すれば、横浜の売却先の有力候補とみられている。【TBS問題取材班】