予約していた振り袖が届かず、着付け会場で立ち往生する新成人ら=横浜市港北区
成人の日の8日、振り袖販売、レンタルを手がける業者「はれのひ」(横浜市中区など)から振り袖が届かなかったり、連絡がとれなかったりするトラブルが相次いだ。「はれのひ」が貸し出す着物の着付け会場となっていた同市港北区のホテルは新成人ら十数人が戸惑いを隠せない様子で、あちこちに電話をかけていた。神奈川県警にも8日の昼までに十数件の相談や通報が相次いだ。
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横浜市中区の「はれのひ」の本社は8日昼過ぎ、鍵がかかった状態でインターホンを押しても反応がない状態だった。併設する写真スタジオにも鍵がかかったまま。
神奈川県警には7日からこの業者に関する相談や通報が十数件あった。8日朝には着付け会場となったホテルから「着付け業者と連絡がつかない」、「購入した振り袖が届かない」などという110番通報があった。ホテルに警察官を派遣し、通報者に事情を聴くなどの対応をした。被害届を出すという話は聞いていないという。県警はさらに相談が増えるとみて、対応を検討している。
横浜市では、成人式が午前と午後の2部制のため、振り袖が届かないために午前の部に出席できなかった参加者を午後の部に出席できるように対応している。 民間信用調査会社の「東京商工リサーチ」によると、はれのひは2008年、振り袖のレンタル・販売店のコンサルティング業者として創業。12年に直営店の運営を始め、横浜市、神奈川県横須賀市、東京都八王子市、福岡市、茨城県つくば市、千葉県柏市に6店舗を展開している。16年9月期の売り上げは4億8千万円。(野城千穂、古田寛也、鈴木孝英)