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レバノン:イスラエル軍の占領追認する決議案に反対

【ベイルート澤田克己】イスラエル軍とヒズボラの戦闘停止を巡る国連安保理決議案へのレバノン政府の立場などについて7日、レバノンの民間研究機関「戦略問題研究所」のモハメド・ヌルディン所長(レバノン大教授)に聞いた。

 --米仏が提示した決議案にレバノンが反発する理由は。

 ◆レバノン南部に対するイスラエル軍の占領を追認するような内容だ。レバノンの主権が尊重されていない、とも受け止められる。

 --「主権が尊重されていない」とは?

 ◆ヒズボラの武装解除の前提となる国際部隊について、この部隊による新たな占領というイメージでとらえられている。レバノンが国際部隊に望んでいるのはレバノン軍への「協力」であり、新たな「占領」ではない。

 --レバノンは、どのような決議を望むのか。

 ◆(イスラエル軍が占領している)シャバア農場の返還など、レバノン側にも利益があるものでなければならない。イスラエル側の利益を図るだけでは受け入れようがない。たとえ、レバノン政府が受け入れても、ヒズボラが「ノー」と言えばそれでおしまいだ。

 --停戦決議が採択されたら、ヒズボラは戦闘を停止するか。

 ◆しない。ヒズボラは、イスラエルをレバノン南部から追い出すことを目的としているため、イスラエル軍の撤退なしで戦闘を終えることはないだろう。停戦決議に従って国際部隊が展開し、ヒズボラの武装解除を強行すると、武力衝突が起きる可能性さえある。

毎日新聞 2006年8月8日

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