【パリ福井聡】ドストブラジ仏外相は7日夜、イスラエルとヒズボラとの戦闘停止を巡る国連安保理決議案について、レバノンをはじめアラブ連盟が示した修正提案を支持する考えを示した。「『レバノン南部からのイスラエル軍の撤退』などを盛り込み、修正するまで提出を待つよう米国に要請している」と述べ、米国への期待を示した。
外相はレバノン南部からと同時に、イスラエルが第3次中東戦争(67年)以来、占領状態に置いているゴラン高原北部のシャバア農場からの撤退についても「より明確にすべきだ」としてアラブ連盟の主張を受け入れる構えを表明。また、レバノン政府の「イスラエル軍が撤退した後、レバノン軍を南部に展開させる」とする提案を評価し、「その後レバノンに国際部隊を展開させる。我々はレバノンの主権を尊重する」とも述べた。
仏側は当初「戦闘の即時停止」を掲げたが、米国との協議の結果、「敵対行為の全面停止、特にヒズボラによる攻撃の即時停止とイスラエルの攻撃的な軍事行動の即時停止」の表現で合意した。仏外務省は7日午後まで「レバノン政府の主張は考慮するが、早急に決議案を受け入れるべきだ」としていた。
毎日新聞 2006年8月8日