【ブリュッセル=御調昌邦】ユーロ圏は11日の臨時の財務相会合で、ギリシャへの金融支援問題を実施した。ギリシャのバルファキス財務相が現行の金融支援策に代わる独自案を提示したが、他のユーロ圏各国と今後の交渉の進め方さえも合意できず、大きな前進はなかった。交渉は具体論に入っておらず、ギリシャ問題は先行き不透明感が一段と強まった。
11日、ブリュッセルでユーロ圏財務相会合に臨むギリシャのバルファキス財務相(右から2人目)=AP
会合では11日段階での共同声明を作成・公表する方向で調整したが、ギリシャ側の意向で最終的に折り合えなかった。ユーロ圏財務相会議のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は記者会見で「単純に今後数日間の段階に取り組もうとしたが、残念ながら不可能だった」と語った。
ギリシャのバルファキス氏が会合中に提案した内容は公表されていない。今後6カ月の資金繰り支援を求めたうえで、既存の債務を名目経済成長率に連動させることなどを求めたとみられる。同氏は会合後「(これまでより)互いに理解できており、合意は後に続くだろう」と述べた。
今後は12日に開催される欧州連合(EU)非公式首脳会議で、ギリシャのチプラス首相と他国首脳らの間で、事態を打開できるかが焦点だ。ユーロ圏は16日に改めて会合を開き、合意に向けて協議する予定だ。