国会は16日午後の衆院本会議で、安倍晋三首相の施政方針演説など政府4演説への各党代表質問に入った。民主党の岡田克也代表はアベノミクスについて「短期的に株価を上げる政策に重点が置かれ、本質的な成長戦略には見るべき実績がない」と批判。「日本社会の格差が近年拡大しているという事実を認めるか」と首相の見解をただす。
岡田氏は「安倍政権の経済政策の最大の問題は、成長の果実をいかに分配するかという視点が欠落していることだ」と指摘。富裕層への所得・資産課税の範囲の拡大が必要と訴える。政府の労働者派遣法の改正や、時間ではなく成果に賃金を払う「脱時間給」(ホワイトカラー・エグゼンプション)の導入などについて「誤った『第3の矢』の典型」として見直しを求める。
集団的自衛権の行使を容認した昨年の閣議決定について「一内閣の判断で憲法解釈を変えたことは立憲主義に反し、憲政史上の大きな汚点」と厳しく批判。政府が新たに打ち出した自衛権発動の新3要件に関連し「具体的にどのような状況か全く説明がなされていない」と追及する。
今夏に政府が発表する戦後70年談話をめぐり、「『植民地支配』や『侵略』などの言葉は70年談話にも必ず含まれるべきだ」と主張。憲法改正では、GHQ(連合国軍総司令部)による「押しつけ憲法」との指摘が一部にあることを踏まえ、首相の見解を問う。
岡田氏に続き、自民党の谷垣禎一幹事長、維新の党の江田憲司代表が質問。17日には衆参両院、18日には参院で各党党首らが代表質問にのぞむ。