日銀は23日、1月20~21日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。同会合では昨年10月にまとめた「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の中間評価を実施し、原油安の影響で物価見通しが「下振れている」との認識で一致した。また3人の委員が「2015年度に2%の物価安定目標を達成するのは難しい」と指摘した。
同会合では15年度の物価上昇率の見通しを前年度比1.0%と、昨年10月時点に予測した同1.7%から大幅に引き下げた。日銀は同2%を目標に掲げ「15年度を中心とする期間」に達成できるとしてきた。多くの委員は「物価の基調的な動きに変化は生じておらず、着実に高まっていく」との見方を示しつつ、原油価格次第で2%の達成時期が「多少前後する」と付け加えた。
ただ、1人の委員は「先行き2%を持続的に実現することは難しい」とし、別の委員も「見通し期間(14~16年度)中に2%に近づくにとどまる」と述べた。さらに別の委員は「15年度を中心とする期間に2%に達するのは難しい」との認識を示し、正副総裁を合わせて9人の政策委員のうち、3人が物価目標の15年度の実現は困難と指摘したことになる。
金融緩和の手段である国債の買い入れについて、複数の委員が技術的に当分は続けられるとしつつ「先行きにおける持続可能性についても留意しておくことが必要」と指摘した。同会合では金融機関に融資を促す貸出支援制度の1年延長も決めた。何人かは信用組合などに利用先を拡大する際に「資金使途の確認などの体制整備が重要」と述べた。