広島県福山市のホテル「プリンス」で2012年5月、宿泊客7人が死亡し、従業員1人を含む4人が重傷を負った火災で、広島県警は4日、火災報知設備に不備があったなどとして、ホテル経営会社の社長だった無職女性(66)=福山市=を業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。
送検容疑は12年5月13日午前6時35~40分ごろ、福山市西桜町のホテル「プリンス」1階事務所から出火した際、火災報知設備の不備などから宿泊客の逃げ遅れを招き、大量の煙を吸引させて、2階の客室などで、女性(当時69)ら7人を死亡、4人に重傷を負わせた疑い。元社長は容疑を認めている。
県警によると、天井と床、壁の主要部分が耐火構造ではなく、客室と廊下の間の壁も不燃材料が使われていないなど、建築基準法に違反する状態で営業していた。天井裏に火災感知器がなく、年2回の避難訓練や消防訓練も未実施。消防法にも違反し、出火時に従業員による避難誘導ができなかった。〔共同〕