関西電力は17日、福井県にある高浜原子力発電所1、2号機と美浜原発3号機の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請した。ともに40年超の運転を目指す。
原子力規制庁の中桐安全規制管理官補佐(左)に高浜原発1、2号機の設置変更許可の申請書を手渡す関西電力の水田原子力事業本部副事業本部長(17日午後、東京都港区)
同日午後に申請書類を規制委に提出した。審査では東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえて導入した新規制基準に基づき、地震・津波や重大事故への備えなどを確認する。
高浜1、2号機、美浜3号機は1970年代に運転を開始し、設計が古い。難燃性の電源ケーブルを使用していないなどの課題もあり、審査が難航する可能性もある。
審査とは別に、関電は4月以降にまず高浜1、2号機の運転延長の認可を得るための申請も出す。認可には長期間の運転に伴って設備が劣化していないことを示す必要がある。
福島第1原発の事故後、原発に対する規制が強化され、運転期間は原則40年に制限された。安全審査に合格し、延長認可手続きを経れば運転期間を最長20年延ばせる。
関電は同日、美浜1、2号機の運転延長を断念し、廃炉にすることを決めた。