沖縄県は23日、米軍普天間基地(同県宜野湾市)の移設先である名護市辺野古沿岸部で、政府が進める海底ボーリング(掘削)作業を中止するよう沖縄防衛局に要請する方針を固めた。翁長雄志知事は沖縄防衛局が応じない場合、県が昨年8月に出した岩礁破砕許可を取り消す意向だ。翁長知事が23日午後に記者会見で県の方針を説明する。
県は2月に辺野古沿岸部の海底で現地調査を実施。県が許可した区域の外で防衛局の設置したコンクリート製ブロックが「サンゴ礁を破壊した蓋然性が高い」(翁長知事)とみる。これに対し沖縄防衛局は3月12日、昨年9月に中断した海底ボーリング作業を再開し県と対立が続いている。県は岩礁破砕許可がなければ、ボーリング作業はできなくなるとしている。
菅義偉官房長官は23日の記者会見で「甚だ遺憾だ。法律に基づき粛々と工事を進めていきたい」と述べ、移設作業に影響はないとの認識を示した。