北朝鮮からマツタケを不正輸入したとして、京都府警と神奈川、島根、山口県警の合同捜査本部は26日、東京都台東区の貿易会社社長ら男2人を外為法違反(無承認輸入)の疑いで逮捕した。関連先として在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬議長=東京都杉並区=と南昇祐副議長=東京都世田谷区=のそれぞれの自宅など計6カ所を家宅捜索した。
許議長は北朝鮮の国会議員に当たる「代議員」の資格を持つ朝鮮総連トップの有力者。許議長は捜索終了後、報道陣の取材に応じ「(社長が逮捕された会社は)名前を知らない。捜索は無法で、朝日関係に大きな禍根を残すだろう」と述べた。
捜査本部によると、逮捕された2人は貿易会社「東方」社長、李東徹容疑者(61)=千葉県市川市=と社員、金芳彦容疑者(42)=東京都江東区。いずれも韓国籍で、容疑を否認している。
逮捕容疑は2010年9月24日、北朝鮮産のマツタケ約1200キロ(輸入申告価格約300万円)を中国・上海経由で日本へ不正輸入した疑い。中国産と偽装されて販売されていたという。
日本は北朝鮮の核実験に伴い、経済制裁の一環として06年10月以降、北朝鮮からの輸入を全面禁止。09年6月には輸出も全面禁止にしている。〔共同〕