【パリ=竹内康雄】ドイツの格安航空会社(LCC)ジャーマンウイングスの旅客機(乗客乗員150人)の墜落で、独紙ウェルトは29日までに、アンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)の自宅などの家宅捜索で、精神疾患の治療薬が押収されていたと報じた。既に医師の診断書が破られて見つかっており、仏独当局は事故原因との関連を調べ、全容解明をめざす。
仏南東部の墜落現場では、遺体の搬送作業が始まっている。身元を特定するため、DNA鑑定が進められており、仏紙によると、副操縦士の遺体の一部が発見され、身元が確認されたという。
副操縦士は子供のころに、墜落現場近くを繰り返し訪れていたとの報道もある。グライダーの盛んな地域で、両親らと一緒に飛行クラブに通っていたという。思い入れのあるこの地域に、旅客機を墜落させようと意図した見方が浮上している。
一方、米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、副操縦士は視力の問題を抱え、治療を受けようとしていた。視力の問題がどの程度深刻だったか不明だが、副操縦士が勤務継続を悲観した一因になった可能性がある。