【イスタンブール=シナン・タウシャン】トルコ国会は1日、日本企業も参画する原子力発電所建設の商業契約締結を承認した。受注が内定している三菱重工業や伊藤忠商事などの日仏トルコの企業連合は近く建設・運営を担う事業会社を設立する。2028年までに黒海沿岸シノップで原発4基を順次稼働させる。
トルコ国会が承認したのは商業契約に該当する「施設国政府契約(HGA)」。同時に日本からの原発輸出を可能とする原子力開発協力政府間協定(IGA)も承認した。
今後、設立する事業会社のトップとトルコのエネルギー天然資源相との間でHGAが調印され、13年に政府間で合意した日本勢の受注が正式に決まる。企業連合には日本勢以外で仏GDFスエズ、トルコの国営電力会社EUASも参加している。
原子力導入に前向きなトルコではロシア勢も同国地中海沿岸のメルシン県での原発建設を受注している。政府はメルシン、シノップに続く3カ所目の原発建設も検討している。
31日、スロバキアを訪問したエルドアン大統領は「トルコのエネルギー需要は日々増えている。手段を講じなければならない」と述べ、3カ所目の建設に前向きな姿勢を示した。この計画には、東芝傘下の米ウエスチングハウス(WH)と中国の国有の原子力関連企業、国家核電技術が導入の可能性を調べており、6月末までにトルコ政府に報告する。