【ホワイトサンズ・ミサイル実験場=共同】世界初の核実験が行われた米ニューメキシコ州アラモゴード近郊の「トリニティ・サイト」が4日、一般公開され、米国の退役軍人らが多数訪れた。
核実験が行われたのは1945年7月16日。訪問者らは「グラウンド・ゼロ(爆心地)」を示す溶岩の碑の前で核実験が歴史に及ぼした影響をかみしめた。
米テキサス州から友人と訪れたベン・ペイトさん(63)は父親が第2次世界大戦で戦った兵士だった。「(戦争が続いていたら)父は日本に派兵されることになっていた。私が今存在しているのはこの爆弾のおかげだ」と話した。
ハワイの元陸軍兵チャールズ・クラークさん(45)は碑を見つめながら「複雑な思いだ。(核兵器製造は)大きな成果だったが、世界に与えた衝撃、代償も大きかった」と語った。
一方、核実験で健康被害を受けたと主張する近隣住民が4日、実験場のゲート前で抗議行動を行った。農業ルイサ・ロペスさん(66)は住民多数が不自然な割合でがんになっているとして「補償してほしい」と訴えた。