日銀の黒田東彦総裁は19日に米ミネソタ州で講演した。講演は英語で日銀は20日午前、講演内容を公開した。黒田総裁は予想インフレ率について、家計を対象とした日銀の調査を分析すると過去2年間で回答者のインフレ予想のばらつきは徐々に小さくなってきたと分析。「家計は将来的には物価は毎年2%上昇するだろうという見方で一致する傾向が強まっている」と述べ、物価目標の達成に必要不可欠なインフレ予想の形成が順調に進んでいることを強調した。 一方、黒田総裁は米国の先行き1年間のインフレ予想のうち約40%は過去の実際のインフレ率で説明できるとした米研究も紹介した。その上で「日本データに適用すると、過去のインフレ率のインフレ予想の変化に対する説明力は米国よりも高い」と述べ、日本では実際の物価の動きに予想インフレ率が影響されやすいとの認識を示した。 日銀の量的・質的金融緩和については「所期の効果を発揮している」と従来の主張を繰り返した。また消費者物価指数(CPI)はゼロ%程度まで低下しているものの「基調的な物価上昇率は著しく改善したことに疑問の余地はない」と述べた。また今年の春季労使交渉で多くの企業がベースアップを実施したことについて「20年にわたる日本のデフレが終わりつつあることを示す証左だ」と話した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕 |
黒田日銀総裁、家計の予想インフレ「2%上昇で一致する傾向強まる」
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