文部科学省は大学が設置する社会人の学び直しのためのプログラムの認定制度を設ける。実務家による授業やインターンシップなど、企業と連携した実践的な教育内容となっているかなどを審査し、適合する講座を認定する。修了者には大学が証明書を授与することで魅力を高め、学び直しの場の広がりを後押ししたい考えだ。
制度の名称は「職業実践力育成プログラム」。特定の企業や団体に限らず、誰もが参加できる内容とし、早ければ2016年度から全国の大学で始められるよう制度設計を進める。各大学が申請するプログラムの内容を同省が審査し、適合したものを認定、公表する。
大学には(1)実務家による授業(2)グループディスカッションなど双方向討論(3)インターンシップなどの実地体験(4)企業との連携――を一定の割合で盛り込むことを求める。受講者が、職業に必要な実践的・専門的な知識や技術を身につけられるようにするためだ。すでに専門学校が展開している同様のプログラムや、他省庁の取り組みとの連携も検討する。
政府の教育再生実行会議は3月、社会に出た後も誰もが学び続けられる社会の実現を提言。これを受けて文科省が設置した有識者会議は22日、認定制度の創設を求める報告書案をまとめた。同省の担当者は「企業が社員を派遣したいと思える魅力的なプログラムを作っていきたい」と話す。