雪国まいたけは15日、新潟県南魚沼市内で臨時株主総会を開いた。親会社の米大手投資ファンド、ベインキャピタルの日本法人の大和田正也副会長ら3人を社外取締役として迎えることを決めた。鈴木克郎会長兼社長ら現経営陣は、ベインの支援を受けながら経営再建に取り組むとともに、中国やロシアなど海外市場の開拓に力を注ぐ。
大和田氏は旧山一証券を経てSMBC日興証券で常務執行役員を務め金融・投資事業に豊富な知見を持つ。ほかに新任された杉本勇次氏と横山淳氏は、多様な企業の役員を務めた経験がある。
ベインは外食大手のすかいらーくを2011年に買収、事業を立て直して14年に東証1部に再上場させた実績を持つ。雪国まいたけでも、培ったノウハウを生かして経営を再建し、再上場を狙うとみられる。
同日の総会では、ベインの完全子会社となるための手続きである定款の変更など一連の議案も可決された。有利子負債の処理やマイタケの不需要期である夏場の運転資金の調達など経営課題の解決に一歩前進する。
雪国まいたけが同日発表した15年3月期連結決算は、最終損益が1億2600万円の赤字(前の期は13億円の黒字)と、2期ぶりに赤字に転落した。ブナシメジの生産設備などを減損損失として計上し特別損失が発生した。売上高は3%減の279億円。16年3月期の業績見通しは、6月に上場廃止となる予定のため開示していない。