一回表DeNA無死一塁、右前安打を放つ梶谷=矢木隆晴撮影
(17日、セCS第1S第3戦 DeNA6―1阪神)
DeNAも「下克上」、阪神下し2年連続でセ最終Sへ
DeNA先頭の桑原が慎重に見極めて四球を選ぶ。なにが何でも先制点がほしい一回だった。定石ならバントだろう。だが、打席にはレギュラーシーズンで犠打0の梶谷だ。今季の「攻撃的打順」を象徴する2番打者が、右前に運んで一、三塁に。最高の形で中軸につなぎ、ロペスの適時打で先制。試合開始から約8分で流れをつかみ、さらに嶺井の適時打で2点を加えた。
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「ベンチはお祭り騒ぎでした」と梶谷。レギュラーシーズンは先取点を取れば57勝20敗3分け。勝たなければ敗退の大一番で、早々と得意の形に持ち込んだ。
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梶谷は俊足巧打だが小技が苦手だ。今季はリーグワーストの157三振を喫した。従来の2番打者のイメージとはかけ離れたタイプだが、第1戦で零封負けを喫し、背水の第2戦から2番に起用された。
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起爆剤となった。チームは第2戦で13得点、この日は6得点をあげた。梶谷は第1S通算で13打数7安打。「短期決戦で気負っていた部分もある。でも、空回りはしなかった」。ラミレス監督は「彼が2番で相手に重圧を与えられた」とうなずいた。
昨季のCS、梶谷は第1Sの巨人戦で死球を受け、左手の薬指を骨折。でも折れた薬指に小指を「添え木」にし、2本の指をテーピングで巻いて最終Sに強行出場した。激痛を抱えながら広島に屈した日、プロ人生で初めて勝負に負けて泣いた。「去年の借りを返す場所にたどり着いた。仕返しして、横浜スタジアムに帰ります」。3位からの下克上を狙う。(波戸健一)
○ラミレス監督(D) 「初戦を落としたけれど、あきらめずに粘り強く戦ってくれた。一回の3得点が非常に大きかった」
○ロペス(D) 四回の2ランを含む3安打3打点。「打席でしっかり集中できた。みんながつなぐ意識を持って、いい攻撃ができている」
○筒香(D) 4打数無安打だったが、「個人の成績よりもチームが勝つことがすべて。いい野球ができている」。