【ドバイ=久門武史】サウジアラビア東部州カティフのイスラム教シーア派のモスク(礼拝所)で22日、自爆テロがあり複数の死傷者が出た。内務省の声明を国営通信が伝えた。ロイター通信は約20人が死亡、50人以上が負傷したと報じた。AFP通信によると、過激派組織「イスラム国」(IS)がインターネット上に犯行声明を出した。
モスクでは金曜日の集団礼拝が行われており、150人以上が参加していたという。スンニ派の過激派であるISの犯行が事実なら、シーア派との宗派対立をあおる狙いだった可能性がある。
サウジはスンニ派の王族が支配し人口の多数を占めるのもスンニ派だが、東部州にはシーア派の住民が多い。2014年11月には東部州でシーア派の村が襲撃されている。
サウジは隣国イエメンのシーア派武装組織「フーシ」への空爆を続けている。サウジ内務省は4月、商業施設や石油施設を狙った攻撃の可能性を示す情報があるとし、警戒を強化していた。