【ワシントン=吉野直也】欧州訪問中のケリー米国務長官は31日、フランス南東部での自転車事故で右の大腿部を骨折し、隣接するスイスのジュネーブにある病院にヘリコプターで搬送された。ケリー氏は6月末に交渉期限を迎えるイラン核協議を巡り、関係国との調整を本格化する矢先だった。協議への影響は避けられない見通しだ。
米国務省のカービー報道官が同日発表した。
ケリー氏は30日にジュネーブでイランのザリフ外相と会談し、核問題について話し合っていた。その後、31日からマドリード、さらにパリを訪問し、調整を進める計画だったが取りやめる。
カービー氏や欧米メディアによると、事故の場所はスイスとの国境から40キロメートルほど離れたフランス南東部のシオンジエ。事故発生時、車列には救急医療隊員や医師も同行していた。
事故の経緯など詳細は不明。ケリー氏の容体は安定し、意識はあるものの、地元の米マサチューセッツ州の病院で治療するため、米国に戻る。ケリー氏は自転車愛好家で、外遊中も自転車に乗る機会があったといわれる。