東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県石巻市は31日、147人が行方不明の南浜地区で消防団や警察と一斉捜索を実施した。同地区では、2011年に自衛隊の活動が終了してから大規模な捜索は行われていなかった。
不明者の家族から要望があったが、市は、民有地が多くを占めていた地区の状況に配慮し、捜索を控えていた。震災から4年2カ月が過ぎ、復興事業での土地買い取りが約8割完了したことで実施を決めた。この地区は県や市が復興祈念公園の整備を計画している。
午前9時前、地元の消防団員や警察官約270人が集まり、犠牲者に黙とう。胸のあたりまで雑草が生い茂る中、約32ヘクタールの土地を棒などでかき分けながら手掛かりを探した。消防団の阿部政志さん(52)は「遺品のかけらでも見つかればいいと思いながら活動した」と話した。
市は今回の結果を踏まえ、今後も捜索を行うかも含めて検討する。〔共同〕