LIXILグループ(5938)の藤森義明社長は3日、中国で水栓金具を手掛ける子会社「ジョウユウ」の破産手続き入りに伴い多額の損失が発生することを受けて、都内で記者会見を開き、「当社の財務基盤は強固で、引き続きグローバルに事業を展開していく」と話した。ジョウユウの破産が与える業績への影響は限定的として、引き続き海外展開を進める意向を示した。
記者会見するLIXILの藤森社長(左)(3日午後、東京都千代田区)
LIXILグは、ジョウユウの破産により2014年3月期と15年3月期の2年間で合計331億円の損失を計上する。あわせてジョウユウの債務保証などで16年3月期にさらに最大約330億円の特別損失を計上する可能性があるとしている。
ジョウユウは14年にLIXILグが傘下に収めた独水栓金具大手グローエの子会社。ジョウユウが破産手続きに入った理由について藤森社長は、「帳簿外の巨額の債務が発生していた」と話した。ジョウユウの社内調査を実施した結果、「ジョウユウの創業者が不正な会計処理を行い、財務諸表を改ざんしていた」という。
藤森社長はジョウユウの調査について「LIXILグの業績に影響する部分については終了した」と強調し、今回の発表内容以上の損失が発生する可能性は少ないとの見方を示した。
ジョウユウの不正会計処理などについては、引き続き真相を究明するために調査を進める。さらに「グループ全体のガバナンス機能とリスクマネジメントの強化も進める」(藤森社長)と話した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕