安全保障関連法案を審議する衆院平和安全法制特別委員会は6日、採決に向けた手続きの一環として地方での参考人質疑を那覇市とさいたま市で開く。沖縄では米軍普天間基地(宜野湾市)移設問題や、自民党若手議員の勉強会で作家の百田尚樹氏が「沖縄の地元2紙はつぶさないとならない」などと発言した問題を巡っても議論になる見通しだ。
沖縄で参考人質疑を開くのは、安保法案を審議するうえで中国の海洋進出に直面する現地の声を聞く必要があると判断したため。参考人は与党推薦で古謝景春・南城市長と中山義隆・石垣市長、野党推薦で大田昌秀元知事、稲嶺進・名護市長、高嶺朝一・前琉球新報社長が出席。それぞれ法案への見解を述べた後、与野党の委員が質問する。
沖縄では普天間基地の名護市辺野古への移設作業を進める政府への反発が強まっている。自民党勉強会での沖縄批判もあり、政府・与党への厳しい意見が予想される。一方で中国船による領海侵入が頻繁に発生する尖閣諸島の警備強化を求める声もある。
安保法案に関し、与党は7月中旬にも特別委での採決をめざす。維新の党が8日にも対案を提出する見通しで、与党は10日の集中審議で維新の対案も審議し、政府案の円満な採決に協力するよう維新に求める。