【NQNニューヨーク=神能淳志】14日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の10月物は前週末比0.63ドル安の1バレル44.00ドルで取引を終えた。中国経済の減速を背景に世界的な原油需要が落ち込むとの見方が広がり、先物にも売りが優勢となった。
中国国家統計局が13日発表した8月の工業生産高などの主要な経済指標は総じて市場予想を下回った。14日の中国・上海株も大きく下げるなど中国景気の減速が鮮明になっていることが意識され、原油先物には将来の需要減退を警戒した売りが優勢となった。
16~17日には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、一部では利上げを見込む声も根強い。結果を見極めたいとして原油先物には積極的な買いが入りにくいことも相場の重荷となった。
一方で、石油輸出国機構(OPEC)は14日公表したリポートで2015年の世界の原油需要見通しを引き上げ、非加盟国による15年と16年の生産見通しを下方修正した。原油需給への過度の警戒が和らぐとの見方から先物には買いも入った。
ガソリンやヒーティングオイルも続落した。
ニューヨーク金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前週末比4.4ドル高の1トロイオンス1107.7ドルで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が週内に開くFOMCを前に、金先物には持ち高調整を目的とした買いが優勢だった。
銀やプラチナはともに続落した。