福井県あわら市は同市の芦原温泉と金沢駅を結ぶ無料バスの運行を19日から始める。来年3月末まで、年末年始を除き毎日1往復走らせる。福井県内は北陸新幹線が未開通なことから、新幹線で金沢まで来た観光客を直接芦原温泉に送客して利便性を高め、宿泊客をさらに増やすことを狙う。
「KANAZAWARA号」と名付けたバスは最大で乗客が17人乗れ、電話で事前予約した客を優先する。車体にはあわら市の四季の風景や、同市が舞台の一つになっている競技かるたアニメ「ちはやふる」のキャラクターをあしらった。
往路はえちぜん鉄道のあわら湯のまち駅を午前9時45分に出発。JR芦原温泉駅、小松空港を経て金沢駅に同11時半ごろ到着する。復路は午後2時半に金沢駅を出て、湯のまち駅に同4時15分ごろ着く。小松―金沢間、湯のまち―芦原温泉駅間のみの利用はできない。
国の地方創生交付金を活用し、3月末までの事業費は1570万円を見込む。同市は時間帯や運行経路などを検証し、2016年度以降も続ける計画だ。
新幹線の金沢開業後、芦原温泉の旅館に泊まる人は増えている。あわら市観光商工課によると、今年7月の市内の宿泊客数は7万3760人と、前年同月比24%増えた。無料バスで利便性を高め、誘客を強化する。