新日鉄住金は30日、韓国鉄鋼大手ポスコなどを相手取り高級鋼板の製造技術を不正に取得したとして損害賠償の支払いなどを求めた訴訟について、ポスコと和解したと発表した。同日、ポスコから300億円の和解金の支払いを受け、両社は日本と米国、韓国で起こしていた訴訟をすべて取り下げた。
新日鉄住金によると、変圧器などに使う方向性電磁鋼板の技術情報について、ポスコは新日本製鉄(当時)の複数の元社員から不正入手していたという。新日鉄は2012年に不正競争防止法に基づき民事訴訟を東京地裁に起こし、約1千億円の賠償と同鋼板の販売差し止めを求めていた。
元従業員に対する訴訟については、継続する。