九州電力は14日、川内原子力発電所2号機(鹿児島県)を15日午前10時半から再稼働させると発表した。核分裂反応を抑える制御棒を引き抜き、原子炉を起動させる。川内1号機は2013年7月に新規制基準が導入されてから、今年8月に全国の原発で初めて再稼働した。2号機の起動により、2基ある川内原発は全て再稼働することになる。
九電は14日、川内2号機の再稼働を原子力規制委員会に報告した。同日から始めた制御棒の作動検査が順調に進み、再稼働前に必要な全ての検査を終える見通しが立った。九電は「安全確保を最優先に、検査や作業を慎重に進める」とのコメントを発表した。
川内2号機は15日午前10時半に再稼働後、午後11時ごろに核分裂反応が安定して続く臨界状態に達する見込み。点検済みのタービンの保安装置が正しく作動するかなどを時間をかけて確認するため、発送電は21日に再開する。その後はゆっくりと出力を高め、11月中旬の営業運転を目指す。
東日本大震災による福島第1原発事故を受け、国は13年7月に新規制基準を導入して電力会社に厳しい安全対策を課した。川内原発は全国の原発でいち早く審査を終了。川内1号機が8月に再稼働し、国内で「稼働原発ゼロ」の状態が2年ぶりに解消した。