財務省は6日、環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する12カ国が為替政策やマクロ経済政策で協調していくことで合意したと発表した。12カ国は「通貨安競争を回避する」とした共同宣言をまとめた。為替操作は貿易の不均衡につながるとし、各国が為替介入の実施状況などを公表して互いに監視し合うことにした。各国政府の高官が少なくとも年に1回協議する枠組みも設ける。
12カ国に四半期ごとに為替介入の状況の公表を求める。外貨準備の月次データや国際収支の状況なども公表を求め、為替操作をしていればすぐに見抜けるようにする。
12カ国で「TPPマクロ経済グループ」を設立することも決めた。マクロ経済政策を担当する各国政府の高官が首席代表になり、最低年1回会合する。各国の為替政策がほかの参加国に与える影響について議論する。為替操作によって貿易に悪影響が出ているような場合は改善を求める。
日本のようにすでに介入実績や外貨準備を公表している国には影響がない。マレーシアなど東南アジアの参加国は公表が十分でないとされ、対応が必要になりそうだ。