東京消防庁は27日、東京都渋谷区でテロに備えた訓練を実施した。男2人が塩酸を積んだタンクローリーを繁華街の建物に衝突させ、多数の負傷者が出たと想定。同庁職員と医師ら約300人が参加し、負傷者の救助や搬送の手順を確認した。
化学物質の成分を分析する特殊災害車が出動。検出器を手に持った防護服姿の隊員が負傷者を安全な場所まで誘導し、衣服についた有害物質を除染した。2020年東京五輪・パラリンピックを控え、外国人の負傷者がいることも念頭に、英語で「目を触らないで!」などと呼びかけた。
同庁担当者は「パリ同時テロは人ごとではない。多数の負傷者に簡潔かつ適切に対処する技量を高めたい」と話した。