【サンバーナディーノ=共同】14人が犠牲となり、全米に衝撃を与えた銃乱射事件から一夜明けた3日、米西部カリフォルニア州サンバーナディーノでは生存者や地元当局者が恐怖の瞬間を振り返った。
「彼らは大きな銃を撃ち続けていた。人生の終わりだと思った」。施設内から警察に誘導され避難した若い女性は、動揺を抑えきれない表情で語った。
警察の調べでは、2日午前、パーティーに出席していた郡公衆衛生部局職員、サイード・ファルーク容疑者(28)は途中で席を外した後、タシュフィーン・マリク容疑者(27)と共に武装して会場に戻り、銃弾を込め直すなどして65~75発を乱射した。
関係者によると、施設内には障害のある子供らもいた。通報を受け最初に現場に到着した捜査員は多数の遺体や負傷者を目撃。当時の状況を「言葉では言い表せない」と語った。
乱射が起きた午前11時ごろ、施設内に警報音が鳴り響いた。会場とは別の部屋で会合に出席していた女性は施設管理人に呼び止められ、理由を知らされないまま約30分間、缶詰め状態に。「恐ろしいことが起きていることは分かった。震えながら祈っていた」
近くの道路にいたNPO勤務のデービッド・ジョンソンさん(40)は「バン、バン、バン」と20発ほど連続で銃声が響くのを聞き、そばのホテル脇に走って逃げた。直後に特別機動隊(SWAT)や爆発物処理班を含む治安当局者計約300人が到着。騒然となった。
その後、銃を構えたSWATの隊員が次々と建物内に突入。容疑者2人はスポーツタイプ多目的車(SUV)で逃走しながら、さらに銃弾約75発を発砲した。治安当局側も380発近く撃って応戦し、2人を射殺。弾痕だらけになったSUVが応酬の激しさを物語る。