横浜中央信用組合は19日までに、新潟支店と金沢支店で支店長だった男性(57)が、顧客の定期預金や融資金など計約1億8千万円を着服していたと発表した。同信組は11日付で男性を懲戒解雇処分としており、新潟県警に業務上横領容疑などで刑事告訴する方針。
同信組によると、男性は2005年10月~今年4月、新潟県内の顧客119人の定期預金を解約したり、預かったカードでローンを不正利用したりして着服。今年4月に顧客から「カードローンを使用していないが貸越残高がある」との問い合わせを受け、内部調査で発覚した。男性は「競馬や借金返済に使った」と認めているという。
男性は1977年に新潟商銀信用組合へ就職。事業譲渡により、横浜中央信組の前身「あすなろ信用組合」で新潟支店長代理となったが、そのころから着服を始めた。09年8月からは新潟支店長も務め、昨年10月に横浜中央信組金沢支店長になった後も、新潟支店の顧客情報を後任らに引き継がず、着服を続けていた。
横浜中央信組は「顧客との30年来の信頼関係を悪用した不祥事。再発防止と信頼回復に努める」としている。〔共同〕