内閣府が8日発表した2015年11月の景気動向指数(2010年=100、速報値)によると、景気の現状を示す一致指数は111.6で、前月から1.7ポイント下がった。マイナスは2カ月ぶり。10月(改定値)は1.5ポイント上昇の113.3だった。直近数カ月の平均値などから機械的に判断する景気の基調判断は、昨年5月以降の「足踏みを示している」から変えなかった。
前月と比較可能な構成8指標のすべてが一致指数の低下につながった。全指標がマイナス寄与となるのは、現行系列ベースで12年9月以来という。11月の一致指数の悪化に最も影響したのは中小企業出荷指数(製造業)で、電気機械や金属製品などの業種が振るわなかった。自動車や薄型テレビなどが低迷した耐久消費財出荷指数のほか、鉱工業用の生産財出荷指数や商業販売額の低迷も重荷となった。
数カ月先の景気を示す先行指数は0.3ポイント低下の103.9で、2カ月ぶりに低下した。最終需要財の在庫率指数や、日経商品指数などが先行指数の押し下げ要因となった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕