【カイロ=共同】フランス公共ラジオによると、シリア人権監視団(英国)は9日、シリア北西部イドリブ県での空爆による死者は市民を含む少なくとも57人に上り、負傷者も30人に達したと発表した。反体制派に情報網を持つ監視団は、空爆はロシア軍による攻撃だと強調した。
9日の空爆では国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」が支配を固めるイドリブ県の拘束施設が標的とされた。拘束施設はヌスラ戦線が「監獄」や「宗教法廷」として使っていた。近くの市場に居合わせた市民も空爆に巻き込まれたという。
監視団によると、死者の内訳は子どもや女性を含む市民が21人、ヌスラ戦線などの戦闘員が29人、監獄の収容者が7人。負傷者には重傷の人も含まれており、死者は増える恐れがある。
アサド政権を支援するロシアは、過激派組織「イスラム国」(IS)と同時に、ヌスラ戦線に対する空爆を続けている。ISとヌスラ戦線はいずれもイスラム過激派だが、互いに敵対関係にある。