大阪市は27日、2016年度予算編成で、吉村洋文市長による関係部局からのヒアリングを実施し、子供に関する施策の予算を拡充する方針を固めた。今夏に子供の貧困の実態調査を初めて行い重点施策を決めるほか、19年度までに全市立中学校で温かい給食を出す。防犯カメラは3年間で1000台増設する。市は16年度予算案を2月開会の市議会に提出する。
市は2月に吉村氏を本部長とする「こどもの貧困対策推進本部」を新設。6~8月に経済的に恵まれない子供の実態を調査し、有識者の意見を踏まえ来年1~2月に重点施策を公表する。調査は、子供にアンケートをして睡眠時間や食事回数などを尋ねる方式を検討しており、事業費約610万円を計上する。
全市立中での温かい給食の提供は20年度までに実施する計画だったが、吉村氏が前倒しを指示。校内調理か、近隣小で調理して配送する「親子方式」のいずれかを全校で行う。現在は大半の中学に業者が調理した食事を配送しており、「冷たい」などの意見が寄せられていた。
子供の犯罪被害を防ぐ「見守り防犯カメラ」として、16年度に通学路や公園に防犯カメラ約350台を設置。3年間で1000台増設を目指す。